日本白内障屈折手術学会について
私は先日、日本白内障屈折手術学会(JSCRS)に参加してきました。今回の学会で主に聴講したのは、ICL(Implantable Collamer(Contact) Lens)と多焦点眼内レンズに関するセッションです。
これらのテーマは、現在当院で特に力を入れて治療している項目であり、私自身も大変興味を持っている分野です。
ICLへの取り組み
実は、コロナ禍の学会でも当院から私がICLについて発表させていただきました。まだ多くの件数を扱っていない頃、その導入のきっかけや理由、運営方法についての発表でした。
特に私自身が近視であることが、この分野に強い関心を持つきっかけとなりました。大学生までは運動部に所属しスポーツマンとして活動していた私にとって、眼鏡は非常に邪魔な存在でした。またコンタクトレンズも現在のように進化していなかったため、スポーツの大会に出る時に非常に困った経験があります。
そのため、ICLの執刀を決意し、患者さんの視力矯正に力を注いでいます。
学会での学び
本学会では、他のドクターの困難だった症例も拝見することができました。比較的安全な手術ではありますが、どんな手術でも100%安全ということはあり得ません。多くのドクターがここぞとばかり苦労した症例を持ち寄り、それに対する討論をする形になります。
私自身の執刀の中では経験していないことも、学会場では他の先生方の経験談を通じて学ぶことができました。複数のドクターの意見を聞くことは想定外の事態に直面した際の対応方法への学びになります。
例えば、2024年春にいくつかの施設で発生したTASS(術後の強い炎症)に関する対応方法なども、いざ起こった時のための貴重な知識となりました。
患者さんへの思い
ICLは眼鏡やコンタクトレンズを使わずに裸眼で生活したい近視の方が、10分程度でそれを叶える手術です。ICLを選ぶ理由は人によって違います。それぞれの患者さんが持つ価値観や人生に寄り添い、その人生が最高のものになるよう、私たちは全力でサポートしていきたいと考えています。