お役立ちコラム

白内障手術の自己負担が3割に? 医療費見直しの今こそ「早めの検査」で賢く備える【さいたま市北浦和 -こんの眼科-】

政府が進める医療費負担見直しの議論の中で、75歳以上の高齢者医療の自己負担を「3割」へ引き上げる方向が報じられています。
これは白内障手術にも直接関わる内容で、タイミングによっては同じ手術内容でも数万円の差が生まれる可能性があります。

「いつかは手術を」と考えている方が多い白内障ですが、制度改定の影響を考えると、“いつ受けるか”が費用にも関係してくる時代になりつつあります。
本コラムでは、白内障の基礎知識から手術の流れ、そして医療制度の動きまでを、わかりやすく解説します。

白内障とは ― 年齢とともに進行する“目の老化現象”

白内障は、目の中にある「水晶体(すいしょうたい)」というレンズが濁っていく病気です。
正常な水晶体は透明で、光を通すことでピントを調節していますが、加齢や紫外線、生活習慣病(糖尿病など)の影響によって少しずつ濁りが生じます。

初期では「まぶしい」「かすんで見える」「眼鏡を変えても見えにくい」といった軽い症状ですが、進行すると日常生活に支障をきたしていきます。
特に夜間の運転が怖く感じたり、読書や新聞を読む時に文字がにじんだりといったケースも多く見られます。

白内障は60代で約70%、70代で約90%、80代になると100%の方が発症し、「誰にでも起こる自然な変化」といえるでしょう。
参照:白内障とは|日本眼科学会

白内障手術とは ― 安全性の高い日帰り手術で視界をクリアに

白内障手術は、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の「眼内レンズ」を挿入する治療です。 点眼麻酔で行うため痛みはほとんどなく、約10〜20分程度で手術が終わり、日帰りが可能となっています。
手術後は、数日中で日常生活に戻ることができ、視力は時間とともに回復していきます。

なお、眼内レンズは、ご自身の日常生活や趣味などのライフスタイルに合わせて、適切な選択することがとても重要です。医師と相談した上で決定していきましょう。

▶︎単焦点眼内レンズ
遠方・中間・近方のいずれかの距離にピントを合わせられるレンズ。例えば、遠方にピントを合わせると、手元は老眼鏡が必要になります。
▶︎多焦点眼内レンズ
3焦点(遠方・中間・近方)にピントが合うレンズや、遠方から実用的な近方距離まで自然な見え方が可能なレンズなどがあります。

白内障手術にかかる費用の目安

単焦点眼内レンズを使用した場合の白内障手術は「保険診療」となり、負担割合によって金額は下記のようになります。 (年齢や所得額などによって費用は変動します。)

【自己負担額(例)】
1割負担:約1万5千円
2割負担:約1万8千円
3割負担:約4万5千円

つまり、2割→3割になると片眼あたり約3万円の増額となり、両眼ではさらに大きな差になります。

高齢者医療制度の見直し ―「2割→3割負担」へ

現在、75歳以上の方の多くは「1割」または「2割負担」です。 しかし、現役世代との公平性や医療費増大への対応として、一定所得以上の方については「3割負担」への引き上げが検討されています。

この改定は段階的に進められる可能性があり、時期によって対象となる年齢や所得基準が変わることも予想されます。 つまり、「来年度はまだ2割」「再来年度には3割」というように、わずかな時期の違いで負担が大きく変わる可能性が出てくるのです。

特に白内障のように「いつかは必要になる手術」では、制度の動向を意識しておくことが家計面での安心にもつながります。

まだ見えているから大丈夫」――その油断がリスクに

白内障はゆっくり進行するため、「まだ困っていないから」と放置しがちです。 しかし、進行が進むと手術時に水晶体が硬くなり、処置が難しくなったり、手術時間が長くなることがあります。

また、白内障が進行すると、他の眼病(緑内障・網膜疾患など)の早期発見を妨げることもあります。
「視界がかすむ」「まぶしく感じる」といった症状を感じた時点で眼科を受診しておけば、白内障の進行度を確認し、手術のタイミングを計画的に決めることができます。

制度改定が控えている今だからこそ、“まだ見えているうち”の検査が安心につながります。

早めに検査・相談を受けるメリット

①自分の目の状態を正確に把握できる
白内障かどうか、どの程度進んでいるかを知ることができます。

②他の病気を早期発見できる
緑内障や加齢黄斑変性など、初期症状が似ている病気の発見にもつながります。

③最適な手術時期とレンズ選択を検討できる
「どんな見え方を希望するか」を時間をかけて考えられます。

④制度改定前に計画的に準備できる
医療費の自己負担増加前に手術を済ませる選択も可能になります。

まとめ ― 医療制度の変化に「知って・備える」ことが最大の安心

白内障は誰にでも起こる病気であり、進行を止める薬や治療法はまだ確立されていません。 しかし、手術によって視界を取り戻せる確実な治療があるという点で、早期の発見・相談が何より重要です。

医療制度は時代とともに変化します。
「いつか手術しよう」と考えている方は、まずご自身の目の状態を知ることから始めてください。 制度改定の前にしっかり備えることで、身体的にも経済的にも安心した選択ができます。

白内障や手術費用、検査のタイミングについてご不安のある方は、どうぞお気軽に「こんの眼科」までご相談ください。

こんの眼科

〒330-0061
埼玉県さいたま市浦和区常盤 10丁目7−11 KEYAKIHOUSE
TEL:048-830-0533

診療時間:9:00〜12:00 / 14:30〜17:30
休診日:日曜日・祝日・土曜午後

順番取得をご用意しておりますので、ご利用ください。