目次
「まぶたが腫れて目やにがでる」
「ものもらいの予防法を知りたい」
ものもらいは、かゆみや腫れなどの症状があらわれる細菌性の病気です。「麦粒腫」「霰粒腫」と呼ばれる種類が存在し、それぞれ症状や治療法が異なります。
当記事では、ものもらいの原因や症状、予防法について解説します。目の違和感が気になる人は、眼科を受診しましょう。
ものもらいの原因は細菌と脂質の詰まり
ものもらいの原因は、まぶたに常在する細菌もしくは脂質の詰まりが関係します。ものもらいの種類によって原因は異なり、それぞれ治療法が存在します。
そのため、正しい治療を施すためには受診が大切です。ものもらいには「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」という種類があるので、理解しておきましょう。
◆麦粒腫
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)とは、まぶたの縁・内側に細菌が感染し、まぶたの一部が赤く腫れる症状です。腫れた部分は、痛みやかゆみをともなう場合があります。
また、麦粒腫にもさらに種類があります。
外麦粒腫
細菌がまつ毛の毛根に感染
内麦粒腫
まぶたの内側のマイボーム腺(上下まぶた内部にある分泌腺)に感染
麦粒腫の原因となる細菌は、弱いものから重症化しやすい黄色ブドウ球菌までさまざまです。細菌がついたままの指で目を触ると感染するので、手洗いなどが大切となります。
◆霰粒腫
霰粒腫(さんりゅうしゅ)は、マイボーム腺の脂詰まりが原因で起こります。マイボーム腺は油分を分泌し、眼の乾燥を防ぐ役割を担っています。ここから油分がでないとドライアイになってしまいます。
マイボーム腺が詰まると肉芽腫を形成し、目元の違和感や異物感を感じます。麦粒腫との違いは、霰粒腫が細菌と無関係な点です。
霰粒腫は自然に治らないため、眼科の受診と治療が必須です。重症化しないように、放置せず受診しましょう。
ものもらいの症状は重症化する?
ものもらいは多くの人が経験する病気です。そのため「ものもらいはすぐに治るだろう」と考える人は少なくありません。しかし、ものもらいの中には重症化するケースもあるため注意が必要です。
特に内麦粒腫は、進行すると激しい痛みをともないます。さらに、ひどくなると化膿して大きく膨らみ、破れて膿がでることも。また霰粒腫も重症化して大きくなると、肉芽腫は切開して取り除かなればいけないケースもあります。
ものもらいの治療
麦粒腫の治療法は、抗生物質の点眼薬・軟膏薬、内服薬です。薬を用いると1週間ほどで治ります。しかし様子をみる期間が長すぎるとなかなか治らない状態になってしまいます。
一方、霰粒腫は進行具合によって治療方法が異なります。初期の場合は点眼や内服薬で様子を見るのが一般的です。しかし腫脹が激しくなったり感染を合併して化膿が進行している場合には、肉芽腫の摘出手術を行う場合もあります。
ものもらいだからと軽く見ず、症状が出てから3日間治らないときには眼科を受診しましょう。特に子どもは手術で治すことが実際には難しいこと、長期に渡って薬を使用することが難しいことから、より早めの受診が必要です。また日頃も汚れた手で目をこする危険性があるため、注意してください。
ものもらいの予防法
ものもらいには、目元を清潔に保つ・温めるといった予防法があります。ものもらいの原因は細菌感染や脂の詰まりなので、日頃から意識しましょう。
予防法1:目元を清潔に保つ
ものもらいの予防法は、目元を清潔に保つことです。麦粒腫の原因は細菌感染のため、目元や手指を清潔に保つと予防できます。
目元は非常にデリケートです。日頃から清潔に保つことで、ものもらい以外の疾患予防にもつながります。
予防法2:ホットタオル
霰粒腫はマイボーム腺の詰まりが原因で起こるため、ホットタオルでの温めが効果的です。温めた蒸しタオルを目元にあて、軽くマッサージしましょう。また入浴時には、シャワーで済ますのではなく湯船に浸かるのをおすすめします。身体を温めるとまぶたも同時に温まるので、脂質がマイボーム腺に詰まるのを防ぎます。
ここまでの詳しいやり方はライム研究会のホームページに詳しく説明があります。
MGD治療:リッドハイジーン(youtube)
MGD治療:温罨法(youtube)
予防法3:アイメイク・コンタクトに注意
ものもらい予防は、アイメイクやコンタクトの使い方に注意するのも大切です。
まつげの生え際までアイメイクをしていると、マイボーム腺を塞いでしまいます。さらに、アイメイクを落としきれていないと不衛生の原因になり、ものもらい発症のリスクが高まります。日頃頑張っているメイクがまぶたの危険につながるということになります。マツエクはさらにしっかりと洗わない動機になり、まつ毛ダニの温床にもなりますよ。
コンタクトは必ず使用法を守りましょう。レンズの汚れによって、アレルギーや感染のリスクが増え、症状が悪化する可能性があります。また、ものもらいになっているときの装用は控えてください。
ものもらいの原因を理解して予防しよう!
ものもらいは、まぶたへの細菌感染や分泌腺の詰まりが原因で起こります。初期はかゆみや痛み程度ですが、進行すると化膿などして重症化する場合があるため要注意です。
ものもらい予防は、アイメイクやコンタクトに注意し、目元を清潔に保つこと。発症しても早めなら点眼や内服薬を用いれば1週間ほどで治ります。重症化しないよう、まぶたに違和感を抱いたら、早めに眼科を受診しましょう。